それから10年以上経ち、わたしは結婚し子どもを持つことになります。
結婚してすぐ、夫と箱根旅行で神社巡りをしました。
とある神社で、入り口とは別の場所にある大きな木が気になり、
その木に触れ幸せをお願いしました。
すると近くにいた人が、赤ちゃんを授けてくれる御神木だと
話しているのが聞こえてきました。
この頃のわたしは、出産が怖く子を持つことに尻込みをし、
自分が親になるなどまだまだ考えられないと思っていたので、
「しまった‼︎」とかなり焦った覚えがあります。
その帰り、鳥居の下で夫に撮ってもらった写真には、
わたしの側に大きなオーブが写っていました。
そしてある晩、夢を見ました。
誰かから赤ちゃんを渡される夢です。
記憶では、古い時代の、仙人のような身なりの
お爺さんから手渡されたと思うのですが、
その手は白く綺麗な女の人の手だったように覚えています。
わたしは両手を差し出して赤ちゃんを抱き、
「どんなことがあってもこの子を守ります」
と、その方に誓いました。
目覚めたあと、何から守るのだろうと不思議に思いましたが、
夢の中の自分は、何のことかをちゃんと理解している様子でした。
それから程なくして、お腹に赤ちゃんが入ったことがわかりました。
つづく